転職にあたって、これまでの振り返りとこれから
1年半振りのはてなブログ更新。
このブログの更新タイミングは、節目的なイベントが発生した時になってきている。
5月末で2年9ヶ月勤めた会社を退職し、6月から新しい環境でお世話になる。
新しい環境で働きはじめる前に、現状を整理をしてみる。
前職を振り返って
前職で3年弱働いて、改めて自分がやりたいことは、ユーザーを喜ばせること、それも表面的に喜ばせるのではなく、ユーザーへの本質的な価値提供がやりたいんだなと思った。
前職の前は、受託システム開発の現場やクリエイティブ制作の現場で働いていた。
業界や案件規模的に単発、長くても2〜3年の運用で終わることが多く、ユーザーに対しての本質的な価値提供を考えることよりも、どれだけ多くの案件をこなすか、目の前の案件をいかに素早く正確に終わらせられるかに終止している感覚があった。
もちろん、それもビジネスの一つの形だが、ユーザーに寄り添った運用が成されないことには、ユーザーへの本質的な価値提供はなかなか難しい。
ユーザーへの本質的な価値提供をコンスタントに行っていく為には、愚直にユーザーの声を聞き、個人・チーム・組織のそれぞれの段階でより良いアウトプットを出す為の長尺の取り組み、それから現場と経営の円滑な接続が大切だ。
前職からオファーをいただいた時に、上記の様なものを満たせそう、かつ、今後のキャリアパスの基礎が作れそう、収入アップ、フルリモート可能、フロントエンド環境がまだ整備されていないなどの諸々の条件が噛み合い、やりがいがありそうだと判断した為、転職を決意した。
転職前は、事前に聞いていた話と想像が膨らみ、そこに理想郷があるという思い込みがあったが、現実はそう甘くはなく、色々と課題があった。
「ユーザーへの価値提供を行う」というシンプルな目的を達成するには、技術的負債、チームビルディング、UXデザイン、個々人のスキルアップ、経営と現場の接続などが大きな課題となって立ちはだかった。
Aを達成する為にはBを整理する必要があり、Bを整理する為には、Cを説得する必要があり、Cを説得する為にD、E、Fという材料を集める必要があるが、その材料を集めるようとすると、技術負債のせいでなかなか前に進みにくいといった状況が、各シーンで日常的に発生するため、日々、壮大で難解なロールプレイングゲームを行っている感じだった。
なかなかシンプルに物事が進まない中で、ストレスを感じることは多々あったが、振り返ってみると、自分自身がただただ稚拙で、「これができないのは◯◯のせいだ」といった他責なコミュニケーションや課題を取り組む上でのメンタルコントロール不足など、エンジニアというポジションにかまけて、組織で働く為の基本ができていなかった。マネージャー陣や部長陣にはかなり迷惑をかけたと思う。
特に辞めることを決意してからのここ半年あたりは、自分自身の活動を振り返ったり、色々な職場環境の情報を見聞きすることが多くなったりしたからか、課題が多い環境も考え方や取り組み方次第で、いくらでもプラスに転換できると気づかされることが多かった。
例えば以下のようなことだ。
課題が多い環境だからこそ、それに比例した学びがあること
大きな課題を一気に解決することが難しいと理解すること
目の前の小さい課題からはじめること
課題を分離し、責務を明確化することで、課題が取り組みやすくなること
課題の中で最も成果が出せる施策に全力でアプローチすること
どんなポジションでも相応の苦労があるということ
なぜその発言をしているかを推し量ることが大切だということ
文句を言うよりもゴールに向かう為のアウトプットをする方が健全だということ
etc.
数多くの課題を打破する為に、活字嫌いの自分が毎日書籍を読むようになったり、技術に縛られずフロントエンド領域以外の設計学習やCI改善に取り組んだりしたのも、気づけば、組織のおかげだった。
自責に落とし込んだつもりが、まだ他責に近い状態だったり、単純なスキル不足を環境や人のせいにしているだけで、踏み込みが甘々だったり、まだまだやれることはあったと辞める直前にして気づいた。時すでにお寿司。
あと、リモートワークというものは、本当に難しということも学びになった。
情報をいかに見える化できたと思っていても、100が100のまま伝わることは稀。
伝わっていない前提で丁寧なコミュニケーションを重ねることが大切だということを身を持って体感した。
その前提がなく、間違った理解のまま突き進んでしまうと、あらぬ虚像を生み出してしまう。
そして、虚像に虚像を重ねた結果、とんでもない虚像モンスターを作り出してしまい、それと延々と戦うことになってしまう。
最終出社日に社歴が長い人達とぶっちゃけたコミュニケーションをとってみて、特にそれを感じた。
申し訳なかったなあ・・・。しょぼん。
人っていう字って深い。
これから何をしたいか
今年でエンジニア歴が13年目に突入する。
これからも変わらず、ユーザーへの本質的な価値提供は追求していきたい。
また、それ以上に、領域を限定せず、課題を解決することをやりたい。
こういった思考になっているのも前職や転職活動で関わっていただいた方々のおかげだ。
チームビルディングや開発生産性などの働き方についての知見が詰めたこと
マーケティングの方々との意見交換やUXデザインが実施できたこと
領域を絞ることが自分の首を締める結果にも繋がる場合があるということ
苦手な領域から逃げないことが大切だということ
苦手だと感じている領域はただの知識不足で、学習すれば良いということ
その他諸々のおかげで培えたことをフル活用し、課題と呼ばれるあらゆるものを根本から考えることを挑戦していきたい。
もう今年で35歳になり、エンジニアの定年説で言及されている年齢になってしまう訳だが、まだまだ学びたいこと、やりたいことが多く、恐怖よりも可能性を感じてワクワクしている。たぶん、転職バフのおかげだけど。
でも、新卒の頃から自分のやりたいことを突き通して、今の働き方ができていることやメンタルに至れていることに対し、純粋にこれまでの自分を評価したい。そして、関わってくれている人や環境には本当に感謝しかない。
明日から週3出社生活がはじまるため、余り夜ふかしが出来なくなるのは辛いけど、自分の可能性を信じ、周りへの感謝を忘れず、邁進して生きていきたい。